こんにちは、KANデンタルクリニック院長の神藤正樹です。
平成元年に歯科医になりまして、臨床に携わり今年で35年目を迎えました。この間、多くの患者さんを拝見しさまざまな歯科の勉強もさせて頂きまして、さすがに診療に迷うこともなくなりましたが、より患者さんに喜ばれる診療を目指して、生涯研鑽する必要を痛感する毎日です。
祖父が、まだ大正の時代に歯科医院を開業しました群馬県太田市で生まれ育ちました。元来モノ作りが得意な祖父は、寡黙で丁寧な診療が喜ばれたそうですが、当時は、すべての技工作業や保険請求事務を自身でこなさなければならず、夫婦で夜なべの仕事は茶飯事だったそうです。祖父の葬儀のとき、悲嘆にくれる患者さん方を、(僕が力にならなきゃ)と強く誓った事、幼稚園の年長組だった私を、今でもはっきりとおぼえております。
あとを継いだ父は、長兄の戦死という不運で、本意ではなく歯科医になったと述懐していましたが、生真面目な性格で人懐っこく、地域の誰からも愛されていたように思われます。晩年の4年間診療を共にし、父親ではなく先輩歯科医として接し多くを学べた事は、とても貴重な体験でした。同時に父子で同じ仕事に携われて幸せであったと思っております。
私の横浜での独立開業のときも応援してくれた父でしたが、数年前に他界しました。そんな祖父や父に見守られ、ここ横浜の地で3代目を継いでいると自負しております。彼らに恥じない、人々を幸せにする診療をいつも胸に、これからも邁進させて頂きたいと思います。自讃が過ぎましてお見苦しい点お許しください。
私が診療に際し常に心がけていること。まず “患者さんのお話を良く伺うこと” です。
同じ病気でも症状の出かたは人それぞれで、その感じ方はとても主観的なものです。その訴えの中にある様々な情報を、私は全身全霊で感じとります。おそらく皆様も初めて対峙する私に、色々な思いを抱いていらっしゃるでしょう。遠慮なさらずに、何でもおっしゃってください。そして信頼して頂けるとありがたいです。
次に、“診査、診断した結果および治療法についてよく説明し、理解して頂くこと” です。
今の病状を出来るだけわかりやすく、レントゲン写真や模型を用いて説明し理解して頂けるよう努めます。ご不明な点、ご心配なことはどしどしご質問ください。そのほうが私も助かります。そして、治療しなければどうなるのか、治療するのであればどういう方法があるのか提案いたします。それぞれのメリット、デメリットを十分ご納得の上、どのようになさるかご判断ください。
そして、“治療は、今現在はもちろん、5年先10年先を見据えた設計にすること” です。
治療の内容にもよりますが、切迫した愁訴を解決した後の治療方針には、いくつかの選択肢があるものです。今のベストを追求するあまり、短期間で崩壊してしまうのであれば、患者さんの利益につながるのか疑問が残ります。なるべく長期的に安定するよう考慮し、予見できるトラブルに対しては、極力シンプルに対応できるようなデザインを心がけています。
最後に“治療完了後、定期的な検診とお手入れをお願いすること” です。
皆様もお気づきだろうとは思いますが、どんな治療も永久に大丈夫ということはありません。治療完了後1年365日、1日24時間生きた体の口腔内という過酷な環境下で働かせ続けるわけですから、きちんと適合させるにはメンテナンスは不可欠です。メガネやコンタクトレンズ、義手義足、松葉杖や車椅子を考えてみてください。何もしないで何十年もトラブルがないなんてありえないでしょう。どうぞ、一通りの治療完了後は、定期的なメンテナンスでの通院をお願いいたします。このことは、治療に費やした時間や労力や費用の損失を最大限防ぐことをご理解ください。
歯科医師の立場から皆様の幸福に寄与し、生涯のかかりつけ医としてお力になれたら幸いです。